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2014 年度 実施状況報告書

セマフォリン3A遺伝子変異と関連する特発性心室細動発症の分子病態メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 26461130
研究機関広島大学

研究代表者

中野 由紀子  広島大学, 大学病院, 講師 (10397911)

研究分担者 越智 秀典  広島大学, 医歯薬保健学研究院(医), 講師 (10415119)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード心室細動 / セマフォリン3A / 遺伝子多型
研究実績の概要

我々は、ヒト心臓において、セマフォリン(SEMA)3A遺伝子I334Vにより、心臓の神経支配の変容が起こり特発性心室細動の発症に関与していることを推測した。しかし、SEMA3AI334Vにより心臓の神経支配の変容が起こる機序や、SEMA3AI334Vが浸透率が低く保因例においても無症候の症例がある理由については明らかにされていない。現在、SEMA3AI334Vが神経伸長を抑制する機序の検討を行っている。1) I334Vの存在により、SEMA3Aが二量体を形成しにくくなっている可能性があると考えた。SEMA3AI334VがSEMA3二量体形成に及ぼす影響を検討するため、Blue Native PAGEを用いてSEMA3AI334VとSEMA3AWTのダイマー形成の違いについて検討を行ったが、ダイマー形成に明らかな差異は認めなかった。2)I334Vの存在により、SEMA3AとSEMA3Aの受容体を構成するNrp-1との結合効率が悪くなっている可能性があると考えた。SEMA3AI334Vの受容体との結合効率を解析するため、SEMA3AとNrp-1との結合を Receptor binding assayを用いて解析を行っている。同時に、SEMA3AI334V保因例の中でも発症する症例としていない症例がある原因を検討中である。両者の間にI334V以外のSEMA3A内のTag SNPの保因に違いがありその相乗効果の可能性があり、SEMA3AI334V保因例で、Hap Mapで登録があるSEMA3A TagSNP49個についてTaq Manを用いて検討を行っている。今回の検討でSEMA3AI334Vが神経伸長が抑制する機序やハイリスク例が明らかになり、早期医療介入が可能になれば突然死の予防という観点から非常に大切な結果となる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

H26年度の予定のSEMA3AI334VがSEMA3二量体形成に及ぼす影響を検討、SEMA3AI334Vの受容体との結合効率の解析、SEMA3ATagSNPの検討についておおむね予定通り進んでいる。

今後の研究の推進方策

今後は、H26年度に行った検討項目をまとめていき、SEMA3Aと相互作用のある遺伝子や蛋白の検討についても行っていきたい。昨年度は主に、SEMA3AI334Vが神経伸長を抑制する機序について検討を行ってきた。今年度は保因例でも無症候例がある原因の検索とハイリスク例の選別についての検討を行いたい。SEMA3A内のTag SNPの保因に違いがありその相乗効果の可能性があるので、現在その検討を行っているが、引き続き行っていく。SEMA3AのCpGアイランドのエピジェネティックスについても検討を行いたい。また遺伝子間相互作用についても検討したい。eQTLデータを用いて、SEMA3Aと関連のある遺伝子をピックアップして、実際にSEMA3ASNPとその遺伝子の相互作用も調べて行きたい。

次年度使用額が生じた理由

保因例でも無症候例がある原因の検索とハイリスク例の選別につき、今年度までにSEMA3A内のTag SNPの保因に違いがあることまでは解明出来た。その相乗効果の可能性があるので、現在その検討を行っているが、引き続き行っていく。SEMA3AのCpGアイランドのエピジェネティックスについても関与している可能性があり今後検討を行いたい。

次年度使用額の使用計画

SEMA3AのCpGアイランドのエピジェネティックスの検討に必要なバイサルファイト化試薬、プライマー、PCRの酵素、クローニング試薬、コンピテントセルなどの消耗品が必要である。遺伝子間相互作用についてはマイクロアレイなども考慮しており、そのtip購入に使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Common Variant Near Hey2 as a Protective Modifier of Ventricular Fibrillation in Brugada Syndrome by Modurating QTc Interval2014

    • 著者名/発表者名
      Nakano Y, Ochi H, Toshishige M, Tokuyama T, Kawazoe H, Watanabe Y, Matsumura M, Tomomori S, Kishimoto S, Ikenaga H, Oda N, Chayama K, Kihara Y
    • 学会等名
      The 87th Scientific Sessions of the American Heart Association 2014
    • 発表場所
      Chicago, USA
    • 年月日
      2014-11-15 – 2014-11-19
  • [学会発表] Negative Association of H558r Polymorphism and Ventricular Fibrillation in Patients With Brugada Syndrome2014

    • 著者名/発表者名
      Matsumura H, Nakano Y, Toshishige M, Ochi H, Tokuyama T, Watanabe Y, Kawazoe H, Tomomori S, Kishimoto S, Chayama K, Kihara Y
    • 学会等名
      The 87th Scientific Sessions of the American Heart Association 2014
    • 発表場所
      Chicago, USA
    • 年月日
      2014-11-15 – 2014-11-19

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公開日: 2016-05-27  

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