再灌流療法の普及により、急性期の死亡率は減少した。しかし、再灌流が不可逆的な再灌流傷害を生じさせ、梗塞サイズの縮小効果を減少させる。ミニブタに対し外科的に左前下降枝にカフオクルーダーを留置した。覚醒後、ピタバスタチン封入ナノ粒子製剤を静脈内投与し、左前下降枝を60分間閉塞させ、再灌流させた。24時間後に梗塞サイズを測定したところピタバスタチン封入ナノ粒子製剤群はピタバスタチン単独群と比し、梗塞サイズが有意に減少した。遠隔期においても左室リモデリングを抑制した。低侵襲覚醒ミニブタを用いたピタバスタチン封入ナノ粒子製剤は心筋虚血再灌流に対する心保護作用を有することを明らかにした。
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