研究課題
TNF-alphaとカスパーゼ阻害薬(z-VAD)を併用することにより誘導した心筋細胞のネクロプトーシスに、RIP1-p62結合によるオートファジーの阻害が関与することを前年度まで明らかにした。その結果を基に、RIP1-p62結合がオートファジーを抑制する機序について、GFP-RFP-LC3 tandem constructのトランスフェクションによるautophagosome, autolysosomeの定量によって解析した。その結果、RIP1-p62結合の亢進は、autophagosome形成を抑制せず、autophagosomeとlysosomeの融合によるautolysosome形成を阻害することと観察した。この所見と一致して、autophagosome形成を制御するシグナルであるPI3K-Akt-p70s6KシグナルやAMPK-ULK1シグナルには、TNF-alpha+z-VADによる変化は見られなかった。また、lyosome内のpHもTNF-alpha+z-VAD処理による影響を受けなかった。また、Atg5のノックアウトによってもTNF-alpha+z-VADによるネクロプトーシスには変化がみられないことから、腫瘍細胞のネクロプトーシスとは異なり、心筋細胞では初期のautophagosomal membraneがネクロプトーシスシグナルのscaffoldにはなっていないことが示唆された。Autolysosomeにおけるアダプター蛋白であるp62の減少がautophagosomeとlyosomeとの癒合抑制をもたらす機序について、今後さらに解析する予定である。
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