心不全発症や進展のプロセスに腎機能障害が関与することが報告され、心腎連関として知られている。 本研究では、まず前臨床段階研究として、大動物心不全モデルにおいて、慢性腎不全用剤である炭素微粒体(AST-120)投与が腎機能低下および血中インドキシル硫酸(IS)濃度増加を抑制し、心筋アポトーシス・線維化を抑制することで心不全の病態を改善させることが明らかになった。 次に、慢性腎臓病を合併する心不全患者でAST-120投与前後のISと心機能を、AST-120を投与されていない患者とでレトロスペクティブに比較検討した結果、AST-120投与群でのみ腎機能が改善しISが低下し、心機能の改善が認められた。
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