拡張型心筋症の発症機序を解明することは、心不全の新しい治療法の開発に極めて重要である。心筋特異的SOCS3ノックアウトマウス (SOCS3-cKO)は生後24週目には左心収縮能の低下と左心室径の拡大、心筋細胞のthinningと脱落を認め、STAT3のリン酸化も同時期より遷延増強していた。SOCS3-cKOマウスの心臓のLC3-II/ LC3-I比、parkinとPINK1の発現が低値でありparkinとPINK1の発現低下に伴うオートファジーが傷害によって拡張型心筋様の左心収縮能の低下を来すと考えられた。心筋細胞のSOCS3の発現抑制が拡張型心筋症の新たな発症機序であることが示唆された。
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