肥満や、脂質代謝異常が慢性炎症を基盤とした動脈硬化をすすめるように、免疫と代謝とは、個体や組織のレベルで密接に連携している。そこで、私は細胞のレベルでも免疫と代謝とが連携しているのではないかと想定した。免疫応答に重要なマクロファージの細胞代謝としての免疫応答が、細胞内脂肪酸代謝と密接に連携して制御されることを見いだした。特に、マクロファージが炎症応答の後期に合成する不飽和脂肪酸が、マクロファージの自律的な炎症収束形質への変化と同時に、全身の炎症応答の収束に必須であることを明らかにした。本検討の結果、免疫細胞の細胞内代謝が炎症の慢性化を防ぐ、新たな治療標的となる可能性が示された。
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