研究課題
1.血管リモデリングに対するオメンチンの作用解明: aP2プロモーターを用いた脂肪組織特異的なヒトオメンチン過剰発現マウスを作成したところ、ヒトオメンチン過剰発現マウスは、血管傷害後の新生内膜増生を有意に抑制した。また、ヒトオメンチン過剰発現マウスを動脈硬化モデルであるアポリポ蛋白E欠損マウスと交配させ、アポリポ蛋白E欠損オメンチントランスジェニックマウス(apoE-KO/OMT-Tgマウス)を作成。その結果、オメンチンの過剰発現は、アポE欠損マウスの動脈硬化巣の形成を有意に抑制した。また、動脈硬化巣におけるマクロファージの発現が抑制されており、大動脈における炎症関連遺伝子TNF-α, IL-6, MCP-1, VCAM-1, ICAM-1の発現も減弱していた。2. 血管構成細胞に対するオメンチンの作用とシグナル伝達機構の解明: ヒトマクロファージへのオメンチンの添加は、マクロファージの泡沫化抑制やコレステリルエステル含有量の減少、スカベンジャー受容体(SRA、CD36)の発現減少を引き起こした。また、オメンチンの添加は、LPSにより誘導された炎症性サイトカインの発現が抑制され、NF-κBのリン酸化も減少した。このオメンチンのマクロファージにおける抗炎症作用には、Aktシグナルが関与していた。3. 動脈硬化におけるオメンチンの臨床的意義の解明: 冠動脈疾患患者と非冠動脈疾患患者にて心臓周囲脂肪におけるオメンチンの発現レベルおよびオメンチン血中濃度を比較検討したところ、冠動脈疾患患者にて、オメンチン血中濃度は低下し、心臓周囲脂肪でのオメンチンの発現は増加していた。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件)
J Cardiol.
巻: 17 ページ: 30060-6
10.1016/j.jjcc.2017.02.006.
Atherosclerosis.
巻: 257 ページ: 138-145
10.1016/j.atherosclerosis.2017.01.014.
巻: 251 ページ: 299-304.
10.1016/j.atherosclerosis.2016.07.003.