肺高血圧症では、新生内膜やplexiform lesionといった閉塞性増殖病変が進行する。本研究では、病変進展・維持における血行動態ストレスの役割を検討した。われわれは、ヒト肺高血圧に特徴的な閉塞性増殖病変と重症の肺高血圧症を経時的に再現する疾患モデル(Su/Hx/Nxモデル)に対し、左肺動脈縮窄による血行動態ストレスを軽減することで、閉塞性病変の進展・維持における血行動態ストレスの役割を検証した。結果としては、血行動態ストレスを軽減した左肺では、完成していた炎症と閉塞性血管病変の退縮を認めた。血行動態ストレスが肺高血圧に特徴的な閉塞性病変の根源的な機序であることが明らかになった。
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