研究課題
本年度は研究実施計画通り、まずHic-5-GST融合タンパク質の発現系を作製し、大腸菌での結晶化用タンパクの大量調整を行った。この分子は発現量が低いため、高純度精製と大量取得が困難であったが、二段階のクロマトグラフィー精製により高純度かつ結晶化用に必要な大量のタンパク質サンプルを得た。得られた精製タンパク質を用いて各種条件下で結晶化を試みたが微小な粒状結晶が得られたのみであった。Hic-5は沈殿性の凝集体やゼリー状の準結晶を作りやすく、溶解性があまり良くない。そこで様々な添加剤を用いてAdditive screeningを行ったところ、小サイズの結晶化が可能である条件が得られた。X線回折強度データが得られるか検証するとともに、引き続き結晶化条件の最適化と最適なadditive添加方法を検討する。さらに昨年度同定したHic-5阻害ペプチドとHic-5精製タンパク質を用いて動的光散乱(DLS)を測定したところ、阻害ペプチド添加により分子の回転径が小さくなることが明らかになった。またDLSの測定結果から本蛋白質は溶液状態ではモノマーであると考えられた。このようなモノマーの状態であることが逆に結晶核の初期形成を困難にして結晶化を妨げていることも考えられるため、安定なダイマー形成を促進する条件の検討も今後考慮する。
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