本研究では動脈硬化病変形成過程および動脈瘤発症への関与が示された細胞接着斑アダプター分子であるHic-5の発現抑制による病変の進行度を検討した。さらに平行してHic-5阻害ペプチドの設計を行った。その結果、ApoE欠損マウスを用いて作製した動脈硬化病変および大動脈瘤モデルにおいて、hic-5/siRNA投与により病変形成抑制傾向が認められた。さらにHic-5阻害ペプチドとして設計した候補配列8種類を用いて各種assayにて阻害効果を検討したところ、Hic-5欠損細胞でのリン酸化抑制が報告されているシグナル伝達分子において、そのリン酸化を抑制できるHic-5阻害ペプチド配列が同定できた。
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