研究課題
肺疾患合併肺高血圧症(R-PH)における肺血管と心臓(特に右心系)の形態・機能解析を行った。病理学的検索では、肺血管のリモデリングと同時に肺血管拡張薬の標的蛋白質の局在を解析・検証した。標的蛋白質としては、エンドセリン受容体(A,B)、フォスフォジエステラーゼ5、プロスタサイクリン受容体、可溶性グアニレートサイクレースなどを解析対象とした。得られた知見は、R-PHの病態の理解とともに将来的な肺血管拡張療法の適応を考える上で有用と考えられた。臨床研究では、肺血管拡張薬がR-PH症例の肺血管抵抗低下に加え右心系指標も改善することを英文誌に発表した(Pulmonary Circulation誌)。この報告では、R-PHでは右室内腔の増大、駆出率の低下があることと、肺血管拡張薬がそれらを改善し得ることを報告した。そのほか、血液検査にてインスリン濃度、インスリン抵抗性指標およびマイオカインの上昇を見出し、さらに右心系指標として注目される右室収縮能、右室・肺動脈カップリングの障害を確認した。これらは2017年の肺高血圧・肺循環学会年次集会などで報告した。また肺高血圧症における胸部CT指標の有用性も検証し、結果は上記学会での発表に加え、英文誌に投稿予定である。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (5件)
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