研究課題/領域番号 |
26461151
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
今野 哲 北海道大学, 大学病院, 講師 (20399835)
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研究分担者 |
清水 薫子 北海道大学, 大学病院, 医員 (40399853)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | バイオマーカー |
研究実績の概要 |
気管支喘息の難治化要因として、副鼻腔炎・鼻茸が知られており、上気道と下気道病変の関連が注目されている。しかし、呼吸器内科の立場より両疾患の関連に着目した際には、上気道病変は、問診等での評価にとどまることが多く、特にCTによる客観的評価に基づいた検討や、共通のバイオマーカーの探索に主眼を置いた検討は少ない。また、大規模な前向き登録研究により両病態の関連を詳細に検討した報告はなく、両病態を結びつける分子生物学的研究は少ない。本研究では、北海道難治性喘息コホート研究に登録された気管支喘息患者を対象として、特に、CTによる評価とバイオマーカーの探索に焦点を置き、副鼻腔・鼻茸病変と気管支喘息との関連を検討することを目的とする。本研究では、特にIL-13により誘導され血中に豊富に存在するペリオスチン及び、好酸球性の遊走に関与するとされている細胞外マトリクスの一つであるオステオポンチンに着目した。
平成26年度においては、北海道難治性喘息コホート研究に登録された喘息患者(軽症~中等症79名、難治性127名)において、血清ペリオスチン及び血漿中オステオポンチン濃度の測定を完了した。血清ペリオスチンは、全喘息患者において、重症副鼻腔スコア、末梢血好酸球数、喀痰中好酸球、呼気NO濃度との関連を認め、いっぽう血漿オステオポンチンは、非喫煙者においてのみ、重症副鼻腔スア、末梢血好酸球数との相関を認めた。また、血清ペリオスチン、血漿オステオポンチンは固定性気流閉塞との関連を認めたが、この関連は非喫煙者で顕著であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度中に、血中のペリオスチン、オステオポンチンの濃度測定を終了した。前向きのコホート研究は現在も展開中であり、今後、各種臨床指標との関連の検討が可能である。
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今後の研究の推進方策 |
現在前向きのコホート研究は展開中であり、今後種々の臨床指標(呼吸機能の変化、喘息発作頻度など)が得られる予定である。また、上下気道のCTによる評価も進行中である。今後は、血中バイオマーカーと、種々の臨床指標との関連の検討をおこなう予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度内にバイオマーカー測定の一部を完了しえた。しかし一部については、測定系の確立に時間を要した為、未使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成26年度内に測定が終了できなかった分子、また、観察研究におけるフォローアップ中検体については、次年度に測定をおこなう予定であり、その分として使用予定である。
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