研究課題/領域番号 |
26461152
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
佐藤 一洋 秋田大学, 医学部, 講師 (30436191)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 腫瘍血管新生 / 抗癌剤のテーラーメード治療 |
研究実績の概要 |
非扁平上皮癌患者に対する化学療法におけるBev.併用による効果の上乗せが末梢血中のEPC値と関連していることを明らかにすることを主題とした研究を遂行中である。 そのため、手術不能未治療非扁平上皮肺癌患者を対象とする臨床研究でBev.併用化学療法と非併用化学療法を行い、EPC値の高低と奏効率、腫瘍縮小率、無増悪生存期間などとの関連を評価している。 昨年度はフローサイトメトリーを用いて化学療法前に末梢血中の抗CD34抗体陽性、抗VEGFR-2抗体陽性で定義したEPC値を測定。上述の比較を2群間で施行したが、EPC低値群ではBev併用の有無で腫瘍縮小率と無増悪生存期間に明らかな差は認められなかった。しかし、EPC高値群ではBevを併用することで腫瘍縮小率が高く、無増悪生存期間が長い傾向があり、非扁平非小細胞肺癌患者において、EPCが多い症例でBevの併用によって化学療法の効果がより上乗せされることが考えられている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
臨床研究であるゆえ、患者数の確保が達成度に大きく影響することが問題であり、Bev.併用化学療法およびそのコントロールとなる治療を行う非扁平上皮癌患者の登録がようやく目標数に近づいてきている状況である。 EPCの高低がBev.併用化学療法の無増悪生存期間に有意に関与するというデータもでており、学会での発表も行っている。 ただし、EPCの測定系に関して、一部、再検討が必要となっており、現在は、データの再検討および、統計処理、論文の作成、投稿をすすめている。
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今後の研究の推進方策 |
患者数が確保されてきている状況から、仮説で予測した結論が得られうる状況となっている、 ただし、EPC値に関するデータの信頼性を上げるべく、一部の測定に関して再検討を行っていく。 また、統計学的検討を確実にするため、症例数をもう少し増やす必要はあるものの、同時に、学会での成果の報告、論文での報告を進めている。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、患者登録が遅れたこともあり結果を報告するべきだった学会等へ旅費としての使用額が減ることとなった。
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次年度使用額の使用計画 |
患者の登録および解析は継続していくため、検査および解析に関係する費用がかかる予定である。 さらに、学会等での報告のための旅費、および論文投稿にかかる英文校正費用等が必要となる予定である。
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