研究課題
肺がん細胞株を非小細胞肺がん、小細胞肺がんを用いて、xCT発現について、RT-PCR法にて、mRNA発現を評価した。xCTのmRNA発現の条件設定を行った。条件設定では、RT-PCRの条件決めに時間がかかり、繰り返して実験を行った。さらに、xCTのタンパク発現も評価するため、免疫染色にてxCT発現を検討した。染色性には限界があるが、腫瘍組織におけるxCT発現を評価することはできた。非小細胞肺がん細胞株に比べて、小細胞肺がん細胞株のほうが、xCT発現が有意に低い結果が得られた。この小細胞肺がん株は、薬剤感受性が高く、治療による腫瘍の縮小は著明であり、非小細胞肺がん細胞株は治療に抵抗性であり、薬剤耐性しやすいこともわかっているので、xCT発現が低い細胞では、化学療法が効くことは、薬剤抵抗性の因子の一つになっていることを示唆するデータであると考える。さらに、xCT以外のアミノ酸トランスポーターである、LAT1, ASCT2についても併せて検討したが、小細胞肺がんと非小細胞肺がんでこれらのmRNA発現に有意な差はなく、薬剤抵抗性のアミノ酸トランスポーターである可能性は基礎的には弱く印象であった。xCT発現とCD44v発現の関係についても調べたが、今年度の実験では、薬剤抵抗性の因子として有意な結果は得られなかったが、引き続き検討をしていく予定である。臨床検体におけるxCT発現と薬剤抵抗性を検討するため、臨床試験計画を立てて、次年度には実施していく予定である。
3: やや遅れている
細胞実験で,RT-PCRによるxCT発現の条件設定に少し時間がかかったから
肺がん細胞株におけるxCT発現とグルタチン発現の関係について、細胞株を用いて調べることが次の課題であり、グルタチンの発現と関連するシグナルの関係も調べていく。また肺癌臨床検体を用いて治療抵抗性とxCT発現の関係をmRNAとタンパク発現を検討して、臨床的な側面からも薬剤耐性を評価する予定である。
実験の進行がうまくいかず、次のステップになかなか移れなかったため、次年度使用額が生じた。
細胞実験の継続と新規に抗体を購入して、予定通り研究を進める予定。
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