研究課題/領域番号 |
26461154
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
解良 恭一 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40400783)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | xCT / アミノ酸トランスポーター / 肺癌 / 薬剤耐性 / 化学療法 / 免疫組織学的染色 |
研究実績の概要 |
本年度は、xCTの腫瘍組織における免疫染色の条件を決定するため、いくつか抗体を購入して染色条件を検討した。しかし、抗体の問題で染色はきれいには膜には染色されず、今後の検討が必要と考え、今年度の課題とした。数種類の肺がん細胞株を用いてxCTの発現をタンパクレベルで検討して発現の高い細胞株、低い細胞株に分けることができた。 CDDP. 5-FU, Paclitaxelなど抗がん剤を用いて、xCT発現の高い細胞株と低い細胞株に投与してがんの増殖をMTT assayにて検討し、結果は現在解析中である。さらに、実際に化学療法を施行している肺がん患者における治療抵抗性の意義を検証するため、気管支洗浄液を採取して、xCTのmRNAをreal time PCRにて定量的に測定して薬剤抵抗の可能性を検討するため、現在、当院倫理審査委員会へ研究計画書を申請して、修正中である。IRB承認後、実際の肺がん患者の検体を用いてxCT発現を検討することになる。 また、肺癌細胞のxCT発現をノックダウンするため、現在、CRISPR/Cas9の技術を用いて、xCT遺伝子そのものを消失させ、薬剤感受性実験を行う準備を現在している。この技術にてxCTのノックダウンがうまくいくかどうかを検証する。これにより薬剤耐性が克服できるのか、薬剤ごとにxCT発現の感受性が異なるのか、ということも含めて数種類の薬剤での検討を予定している。さらに、分子標的治療薬の薬剤耐性の可能性も探索する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
xCT発現を免疫染色に評価することに難渋した。条件設定の問題ではなく、抗体の質の問題が考えられた。xCTのノックダウンについても色々と検討したが、CRISPR/Cas9の技術がよさそうであり、新たな検討することになり予定より遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
xCTノックダウンによる薬剤感受性における評価を中心に実験を進める。今後の方針としてin vivoでマウスレベルでの検討と臨床検体を用いた評価を行いたいと思う。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画していた研究が、抗体の条件設定や遺伝子操作技術の導入などで研究の進行が遅れたため、次年度へ助成金が生じた
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次年度使用額の使用計画 |
抗体条件設定を終了させて、ヒト腫瘍組織での検討を行い、xCT発現をノックダウンして、薬剤耐性感受性についての研究を当初予定した通りに進める。
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