研究課題
本年度は、肺癌腫瘍から採取したDNAを用いて、xCT発現をRT-PCRでその発現量を検討して臨床病理学的な検討を加えた。腫瘍組織からの研究について、関連病院で前向き研究で採取された検体を当院臨床研究倫理審査委員会でも申請を行い承認を得たのちに研究を開始した。110例の非小細胞肺癌組織からxCT発現を評価したところ、発現量が高いと有意に外科的切除後の予後は不良であった。腺癌や扁平上皮癌など組織型での違いは症例数の問題もあるが有意ではなかった。治療抵抗性について、術後再発の治療内容も症例ごとに異なっていたが、xCT発現が高いと治療後の予後は悪い傾向になった。この結果からxCT高発現は肺癌の進展には関与しており、術後治療の効果予測ができる可能性がある。ただ、進行期肺癌を対象とした検討も必要であるので、進行非小細胞肺癌における気管支鏡洗浄液のDNAを採取して、xCT発現をRT-PCRで検討し、4期肺癌における治療抵抗性を評価する臨床研究を倫理審査委員会へ申請承認を得て開始した。しかし、これはまだ症例集積が終わらず解析は今後の課題である。肺癌細胞株における薬剤抵抗性についてのin vitro studyでは、xCT高発現で5FU、タキサン系薬剤、プラチナ系薬剤など各種薬剤の治療抵抗性が確認できた。しかし、xCT発現が薬剤耐性になるメカニズムについて次世代シークエンサーを用いた網羅的な解析を検討しており、今後の予定する。また、in vivoでの検討も条件設定がうまくいかずこの期間内には終了できず、今後の課題となった。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 4件、 査読あり 4件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)
Anticancer Res
巻: 32 ページ: 631-636
Neoplasma
巻: 64 ページ: 283-288
10.4149/neo_2017_216.
Cancer Chemother Pharmacol.
巻: 79 ページ: 165-171
10.1007/s00280-016-3217-1.
巻: 79 ページ: 209-213
10.1007/s00280-016-3201-9
巻: 36 ページ: 6481-6490