次世代シークエンサーを用いてnon-TRUタイプの肺腺がん43症例86検体(腫瘍部と非腫瘍部のペア)の全エクソン解析を施行した。その結果、43例中7例においてNKX2-1/TTF-1遺伝子に8種類の非同義変異の存在が認められた。これら8つのNKX2-1/TTF-1変異体はいずれも失活変異体であることが確認され、変異陽性の7症例はいずれもTTF-1免疫染色が陰性で、そのうち5例にはKRAS変異も併存していた。組織学的にはNKX2-1/TTF-1変異陽性7例中5例が粘液産生腺癌で、本遺伝子変異は直接的な癌化能を持たないものの、non-TRUタイプの肺腺がんの発生機序に関与していることが示唆された。
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