研究課題
悪性胸膜中皮腫の中心的化学療法剤としてペメトレキセドが使用されているが、本剤に対する耐性を獲得した患者には十分に有効な治療方法が存在しない。このため、ペメトレキセド耐性克服方法の開発は緊急の課題である。そこで、我々は、ペメトレキセド感受性細胞株に、ペメトレキセドを低濃度より徐々に濃度を上げていき約1年継代培養を繰り返して樹立した耐性細胞株作成した。親株の胸膜中皮腫細胞株とペメトレキセド耐性細胞株のDNAマイクロアレイを行った結果、耐性細胞株のEGFRの発現は抑制していたが、PI3KおよびGPCPの発現は増加していた。更に、これらの分子およびその下流系分子の遺伝子発現量をリアルタイムPCRにより、タンパク質発現量をウェスタンブロット法により確認した結果、親株と比べてペメトレキセド耐性細胞株のAtkおよびmTOR下流系のp70S6KとS6の発現量が増加していた。これらの結果から、ペメトレキセド耐性化に関わる分子は、PI3K/Akt/mTORシグナル伝達経路分子であることを発見した。これらの分子が活性化されていることにより、細胞増殖が維持されていると考えた。これらの結果から、耐性化の克服治療法として、PI3K/Akt/mTORシグナル分子を阻害する薬剤が耐性を獲得克服すると考えた。そこで、PI3KとmTOR阻害剤であるBEZ235を単剤における細胞増殖能を検討した結果、細胞増殖抑制を認めなかった。しかし、BEZ235とペメトレキセドを併用すると細胞増殖抑制を示し、有意な併用効果を示した。
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