がん関連死亡率の中で多数を占める肺癌の発症に喫煙は最大の原因であることはよく知られているが、近年、非喫煙者の中での肺癌が増加している。本研究では、皮膚の神経原性腫瘍であるメルケル細胞腫から検出されたメルケル細胞ポリオーマウイルスに着目し、非喫煙者における肺癌発症の原因となり得るかを検討している。欧米型のウイルスベクターとアジア型のウイルスベクターによる肺癌由来の細胞株への感染実験を行い、その感染性に差異の認められることを見出した。欧米型とアジア型の2つの感染肺癌細胞株における発現遺伝子のプロファイリングを行い、その差を比較することで、病態との関連性を明らかにすることが必要である。
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