アレルギー性気管支肺真菌症(ABPM)は気道に腐生した真菌に惹起される難治性気道アレルギー疾患である。本研究では、以前我々が気道上皮細胞からの粘液(ムチン)産生との関連を報告した真菌(アスペルギルス)抗原のセリンプロテアーゼ活性に着目して、ABPMの新規治療関連分子の検索を行った。気道上皮細胞株を用いたマイクロアレイでの網羅的検討でセリンプロテアーゼ依存性に2倍以上発現が増強する428の遺伝子が確認された。その中にはTSLP、IL-1α、VEGFなどのサイトカインーサイトカイン受容体関連遺伝子群が含まれ、IL-1αなど一部の遺伝子の発現には上皮成長因子受容体(EGFR)が関与していた。
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