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2016 年度 実績報告書

肺がんの起源の違いに基づいたがん幹細胞を標的とした新たな治療標的の探索

研究課題

研究課題/領域番号 26461170
研究機関関西医科大学

研究代表者

熊野 恵城  関西医科大学, 医学部, 准教授 (90396721)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード肺がん / 幹細胞 / 系譜追跡 / Bmi1
研究実績の概要

成体幹細胞に発現しているマーカーの各種プロモーター下にCre-ERT2を発現する遺伝子改変マウスとCreのDNA recombinase活性により蛍光蛋白質を発現するレポーターマウス(Rosa26-rainbowなど)を掛け合わせ、Tamoxifen(TM)を腹腔内投与することでCre-ERT2を活性化させ幹細胞をin vivoにて標識し、幹細胞およびその子孫である分化細胞の追跡を行った。Bmi1については放射線による肺障害モデルにおいて、I型肺胞上皮およびII型肺胞上皮の両方が再生されることがわかり、これらは肺胞領域の幹前駆細胞であることがわかった。Bmi1はSPC陽性のII型肺胞上皮細胞の一部に発現していることを確認した。またI型肺胞上皮細胞のマーカーであるHopxを用いて同様な検討を行ったところI型肺胞上皮からもII型肺胞上皮の再生が認められることが分かった。このように肺胞領域においてI型肺胞上皮細胞とII型肺胞上皮細胞の間に可塑性が認められた。
さらにBmi1-CreERT2/Loxp-STOP-Loxp(LSL) KrasG12Dを作製することにより幹細胞マーカーを発現する細胞にTM誘導によりKras変異を発現させたところ、1つの幹細胞からclonalに腫瘍化が起こることを確認した。
一方で分化したII型肺胞上皮細胞(alveolar type 2(AT2) cell)由来:SPC-CreERT2/LSL KrasG12DによりAT2細胞特異的にTM誘導によりKras変異を発現させたところ、AT2細胞のclonalityな増殖は認めたが、腫瘍化することなく現在のところ全例TM投与後8w以内で死亡しており、おそらく肺サーファクタントの過剰分泌による窒息が死因と考えられる。このことはII型肺胞上皮細胞の内Bmi1を発現する細胞から肺がんが発生する可能性を示唆する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] Intestinal cancer stem cells marked by Bmi1 or Lgr5 expression contribute to tumor propagation via clonal expansion.2017

    • 著者名/発表者名
      Yanai H, Atsumi N, Tanaka T, Nakamura N, Komai Y, Omachi T, Tanaka K, Ishigaki K, Saiga K, Ohsugi H, Tokuyama Y, Imahashi Y, Ohe S, Hisha H, Yoshida N, Kumano K, Kon M, Ueno H.
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 7 ページ: 41838-41847

    • DOI

      10.1038/srep41838.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Bmi1-positive cells in the lingual epithelium could serve as cancer stem cells in tongue cancer.2016

    • 著者名/発表者名
      Tanaka T, Atsumi N, Nakamura N, Yanai H, Komai Y, Omachi T, Tanaka K, Ishigaki K, Saiga K, Ohsugi H, Tokuyama Y, Imahashi Y, Hisha H, Yoshida N, Kumano K, Okazaki K, Ueno H.
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 6 ページ: 39386-39391

    • DOI

      10.1038/srep39386.

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2018-01-16  

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