系譜追跡法により幹細胞およびその子孫である分化細胞の追跡を行った。放射線による肺障害モデルにおいて、Bmi1陽性細胞からI型肺胞上皮およびII型肺胞上皮の両方が再生されることがわかった。Bmi1はSPC陽性のII型肺胞上皮細胞の一部に発現していることを確認した。 Bmi1陽性細胞に変異型Krasを発現させたところ、1つの幹細胞からのclonalな腫瘍化を確認した。一方でII型肺胞上皮細胞胞特異的に変異型Krasを発現させたところ腫瘍化する前に死亡し、肺サーファクタントの過剰分泌による窒息が死因と考えられる。II型肺胞上皮細胞の内Bmi1を発現する細胞から肺がんが発生する可能性が示唆される。
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