研究課題/領域番号 |
26461171
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
東本 有司 近畿大学, 医学部, 講師 (70316115)
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研究分担者 |
本田 憲胤 公益財団法人田附興風会, その他部局等, 研究員 (10724156)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 気管支喘息 / 呼吸困難 / 近赤外線分光法 / 脳皮質血流 |
研究実績の概要 |
気管支管支喘息患者では呼吸困難時の脳活動が健常者に比して低下していることが報告されている。また、重積発作を経験した喘息患者では低酸素負荷や高炭酸ガス負荷に対する換気応答低下していることも報告されている(呼吸困難感知の低下)。しかし、気管支喘息患者における呼吸困難と脳活動の関連はほとんど検討できていない。そこで我々は気道過敏性検査時の呼吸困難と脳皮質活動の関係を検討した。 対象と方法:気管支喘息患者(気道過敏性陽性)13名と健常人6名を対象とした。前頭前野領域脳皮質の活動は、Near-infrared spectroscopy (NIRS)装置(光トポグラフィー:HITACHI WOT-100)を用いて計測した。脳皮質のoxy-Hb濃度の増加及びdeoxy-Hb濃度の低下を脳活動の活性化とした。呼吸困難はBorg scaleにて記録した。 結果:気管支喘息患者では前頭前野前頭極領域皮質の活性化とBorg scaleによる呼吸困難感とが相関がみられた(r = 0.84, p < 0.01,n = 13)。ピーク時の呼吸困難は健常者に比べて喘息患者で強かったが、前頭前野皮質の活性化は喘息患者の方が有意に低値であった(p < 0.05)。さらに、喘息患者では、喘息の罹患期間とピーク時の脳活動とに負の相関がみられた(r = - 0.663 , p < 0.05 、n = 13)。 結論:気管支喘息患者では気道過敏性検査時の呼吸困難に伴う脳皮質活動が低下しており、罹患期間に関連していることが示唆された。 今後の研究: 現在症例はさらに集積中でありさらに詳細な解析ができるものと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
健常コントロールの集積が困難である
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今後の研究の推進方策 |
現在症例はさらに集積中でありさらに詳細な解析ができるものと考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定よりも症例の集積が遅れているため、論文作成に必要な費用が低くなっている。また、器材の消耗品の費用が予想よりも低く抑えられたためと考える。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度にはさらに症例数を増やすとともに、研究結果の集計と報告、さらに論文作成をする予定である。学会参加費、論文作成費(投稿料と英文校正費)に使用する予定である。また、最終年度でるため冊子作成費用が必要となる。
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