気管支洗浄液を採取した肺炎患者(177名)を対象に16SrRNA遺伝子を用いた網羅的細菌叢解析法を用いて、誤嚥リスク因子の有無により分類し原因菌解析を行った。誤嚥リスク有群(83名)では口腔レンサ球菌が有意に多く検出され、その規定因子として、全身状態不良や1年以内の肺炎の既往が抽出された。これにより、口腔内常在菌として過小評価されてきたレンサ球菌が、誤嚥性肺炎の原因菌として重要なことを明らかにした。また、口腔衛生状態と原因菌との関連性の検討(n=34)では、口腔内衛生状態(OHI)が不良群で嫌気性菌の検出が有意に多く、口腔内不衛生が下気道検体の嫌気性菌の検出に関与すると考えられた。
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