研究課題
マウス乳癌細胞の 4T1 細胞を用いた腫瘍モデルに抗腫瘍免疫療法と抗血管新生療法及び抗リンパ管新生療法を併用した。抗腫瘍免疫療法としては Death Receptor-5 を発現しているがん細胞へ細胞死を誘導する事の知られている抗 Death Receptor-5 抗体を用いた。抗血管新生及び抗リンパ管新生療法としては強力な血管新生作用を持つ vascular endothelial growth factor receptor-2 と強力なリンパ管新生作用をもつ vascular endothelial growth factor receptor-3 等を同時に阻害する sunitinib を用いた。マウスの背部に腫瘍細胞を皮下注射し腫瘍の増大速度を計測したところ抗腫瘍免疫療法及び抗血管新生及び抗リンパ管新生療法併用群で各々の単独療法群より腫瘍の増大速度の低下を認めた。腫瘍を取り出し血管を構成する血管内皮細胞や血管傍細胞等の免疫染色や定量的 RT-PCR で血管の正常化を評価したところ併用群では腫瘍内の血管が正常化していた。また併用群の腫瘍内では免疫抑制系のCD4 陽性 Foxp3 陽性 T 細胞の数が減少し腫瘍攻撃系のCD4 陽性 Foxp3 陰性 T 細胞の数が増加していた。所属リンパ節内の抗原提示細胞である dendritic cell の活性化を CD86 陽性である事で評価したところ併用群で活性化した dendritic cell の数が増加していた。これらの事より抗腫瘍免疫療法と抗血管新生療法及び抗リンパ管新生療法を併用した事により腫瘍への免疫活性が上昇したと考察された。
2: おおむね順調に進展している
腫瘍の解析がすすみ、所属リンパ節での解析も進行しているため。
今後は腫瘍の所属リンパ節での T 細胞や DC の活性化をフローサイトメトリーで評価して行く方針である。また腫瘍の血管内皮の接着因子の発現の評価する予定である。更に様々な抗血管新生阻害剤、抗リンパ管新生阻害剤を腫瘍モデルに投与し腫瘍免疫への影響を評価して行く方針である。
物品費としてリンパ管新生阻害剤を購入する予定だったが20万円の見積もりだっため翌年にまわし購入する事とした。
リンパ管新生阻害剤を購入する予定。
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