肺胞上皮細胞の脂肪酸組成を制御するElongation of long chain fatty acid member 6 (Elovl6)の発現と肺気腫との関係をElovl6遺伝子欠損マウスを用いて検討した。肺気腫の初期段階では、肺組織のⅡ型肺胞上皮細胞でのElovl6の発現が増加することで脂肪酸の鎖長伸長が進み、炭素数16の脂肪酸が減少、炭素数18の脂肪酸が増加することで、肺気腫の病態に影響することが推察された。一方、肺気腫の慢性期では、肺組織のⅡ型肺胞上皮細胞におけるElovl6は肺気腫発症前の発現レベルに戻り、肺組織における脂肪酸組成にも変化が認められないことが示唆された。
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