研究課題
PHを有するIPF4例、PHを有さないIPF4例、PHを有する強皮症合併間質性肺炎2例、特発性肺動脈性肺高血圧症3例を対象に、外科的肺生検、および移植摘出肺組織からRNAを抽出し、MMP-2,7,9,10を定量化した。また、免疫組織化学で各MMPsの染色を行った。PHを有するIPFでは、PHを有さないIPFと比較してMMP-2,7,9のRNA発現が増加していた。(MMP-2 PH+ 0.1343+/-0.0205 PH- 0.0755+/-0.0212、MMP-9 PH+ 0.0466+/-0.0369 PH- 0.0125+/-0.0093)(/beta actin)。IPAHの肺組織でもMMP-2,9は発現が認められたが、MMP-7の発現はわずかであった。免疫染色の結果、MMP-2はPHを有するIPFの線毛上皮の一部で強い発現が認められ、肺動脈にも淡い発現が確認された。PHを有さないIPFにおいても上皮細胞に発現が認められたが、PHを有するIPFと比較すると発現が弱かった。また、MMP-9はIPFの上皮細胞で発現が認められたが、PHを有する群では上皮、間葉系細胞など全体に発現が亢進していた。IPAHの肺組織では、肺動脈ではなく上皮細胞にMMP-9の発現が認められた。コントロール組織(肺癌摘出組織の非癌部)において、MMP-2,9の発現はほとんど確認できなかった。以上より、PHを有するIPFではMMP-2,7,9の発現上昇が確認されたが、肺動脈での発現は目立たず、IPAH症例においても同様であった。MMPsの上昇はIPの重症度を反映した可能性があり、MMPsが間質性肺炎の肺血管病変に寄与しているか否かについては今後の検討を要する。
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