研究課題
気管支喘息の本態は気道の慢性炎症と気道過敏性亢進であるが、このアレルギー性気道炎症はTh2細胞やILC2を中心とした好酸球性気道炎症のみでなく、ステロイド薬の効果が認められない好中球性気道炎症も重要な役割を果たしている可能性が考えられているが、そのメカニズムは非常に複雑で未だ明らかではない。一方、慢性閉塞性肺疾患(COPD)はタバコ煙やバイオマスを主とする有害物質を吸入曝露することで生ずる好中球やマクロファージを中心とした肺の炎症性疾患であり、有病率や死亡率は今後さらに増加することが予想されている。しかし、COPDにおける気道炎症の詳細は未だ解明されておらず、現在の治療の中心は長時間作用性抗コリン薬および長時間作用性β2刺激薬に代表される吸入気管支拡張薬であり、治癒を目指す治療薬は未だ開発されていない。申請者らは喘息及び肺気腫マウスモデルを作製後RXR選択的パーシャルアゴニスト混合飼育飼料を経口投与し、種々の気道炎症に対する効果を検討したところ、RXR選択的パーシャルアゴニストには抗原特異的気道過敏性の亢進及び好酸球性気道炎症に対する有意な抑制効果が認められた。さらに、豚膵エラスターゼ(PPE)経気道投与及びタバコ煙抽出液(CSE)誘発モデルにおいて、RXR選択的パーシャルアゴニストは好中球性気道炎症および気腫性変化を有意に抑制することが明らかとなった。本研究により、気管支喘息及び肺気腫の機序において、核内受容体RXRが重要な役割を果たしており、RXR選択的パーシャルアゴニストは好酸球性気道炎症のみでなく好中球性気道炎症の制御、さらに気道過敏性の亢進及び気腫性変化を有意に抑制することより当該疾患及びこれらの合併症に対して今後期待できる新たな治療戦略となる可能性が示唆された。
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