研究実績の概要 |
申告者らは、IL-17Aを産生する主な細胞であるTH17細胞の分化、増殖に必要なIL-23が、パッチを塗布した皮膚局所において生産されることを見出した。その後申告者らは経皮感作喘息の治療標的として、皮膚局所で産生されるIL-23とそれにより亢進するTh17系サイトカイン亢進の役割に着目し、抗IL-23を経皮感作喘息モデルマウスに投与した後、好酸球性気道炎症を評価した。その結果、感作相に抗IL-23抗体を投与した群はcontrol IgG抗体を投与した群に比較して、OVA特異的IgG1抗体の産生が減少する傾向がみられ、さらに気管支肺胞洗浄液の好酸球数および組織中好酸球浸潤が有意に減少することを見出した。以上の内容を以下の英文原著論文および海外学会に発表した。 Masaki K, Suzuki Y, Kagawa S, et al. Dual role of interleukin-23 in epicutaneously-sensitized asthma in mice. Allergol Int. vol. 63 Suppl 1 p.13, 2014 また、抗IL-23抗体を抗原吸入曝露期に投与した群では気道過敏性が亢進しており、喘息の増悪に寄与してしまう可能性も示唆された。 以上のことからIL-23の阻害は抗原の経皮感作期のみ有効であると考えられた。
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