研究課題
特発性肺線維症(Idiopathic pulmonary fibrosis; IPF)は、肺において高度に線維化が進行し、確立した有効な治療法が無い原因不明の難治性疾患である。近年、IPFにおける肺線維化の機序に上皮間葉転換 (Epithelial mesenchymal transition; EMT)の重要性が示唆されているが、いまだにEMTを標的とした有効なIPF治療法の開発・臨床応用には至っていない。本研究では、In vitroで肺胞上皮細胞にEMTを誘導するシステムを確立し、EMT阻害作用を有する薬剤をスクリーニングし、これら薬剤のIn vitroでのEMT阻害効果を薬理学的に解析する。そして肺線維症モデルマウスにも投与し、In vivoでのEMT阻害・肺線維化抑制効果も検証し、治療効果の高い有望な薬剤を選定する。
2: おおむね順調に進展している
肺胞上皮細胞のEMT阻害を示す薬剤スクリーニングを行い、現在までに複数の候補薬剤を同定している。そして現在、ブレオマイシン(BLM)肺線維症モデルマウスへの投与によりIn vivoでの肺線維化抑制効果も検証中である。
これら薬剤スクリーニングを更に増やすと同時に、現在までに同定された候補薬剤のEMT阻害作用の薬理学的機序や標的因子を詳細に解析する。またブレオマイシン肺線維症モデルマウスを用いてIn vivo実験動物モデルによる生体内循環系を通じた薬効評価も行い、治療効果が期待される新規薬剤を同定・評価する。
他の学内研究費などが獲得できたことと、またIn vivo動物実験での肺線維化抑制の評価法の検討に当初の予定よりも時間がかかったため、これらの実験を次年度に予定した。
引き続きマウス実験やIn vitroでの発現解析などを継続してゆく。
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Mol Cancer Ther
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