研究課題
昨年度に引き続き、内因性のmTORC2阻害ペプチドであるXPLNを用いた検討を行った。siRNAを用いてXPLNをノックダウンした所、mTORC2が活性化され線維化のメディエーターであるSPARCの発現が増加した。同時にS473-Aktのリン酸化も認められたため、XPLNのノックダウンの際にAkt阻害剤を使用した所、SPARCの発現は抑制された。このSPARCの増加はrapamycinでは抑制されず、dual mTOR inhibitorであるpp242で抑制されたため、さらにmTORC2とXPLNの関与が確認された。SPARCはTGF-b1で誘導される事が報告されているため、TGF-b1との関連を解析した所、XPLNはTGF-b1でdown-regulateされた。これはSmad2, 3のノックダウンでreverseされたため、Smad pathwayが関与していることが考えられた。PI3Kやp38 MAPK の阻害剤は無効であった。
2: おおむね順調に進展している
XPLNとmTORC2の関連を解析することになり、当初からの計画変更はあったが、その後の解析自体は問題なく進んでいると考えられる。
現在、XPLNの強制発現株を作成中である。またmTORC1を抑制することにより、XPLNを介したmTORC2-SPARC axis の解析を予定している。またhuman sampleでのXPLNやSPARCの発現解析を予定している。
当初は供与を受ける予定の試薬を用いて動物実験も行う予定でしたが、提供を受けることができなくなったため実験計画の大幅な変更がありました。このため、次年度使用額が生じています。
In vitroの実験が中心になりましたが、新たな実験計画は順調に進展しており、引き続きその遂行のために使用して参ります。
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