本研究はmTORC2シグナルの肺線維化病態における関与について検討した。内因性のmTORC2抑制ペプチドであるXPLNに着目し、その下流にある線維化のメディエーターであるSPARC発現への関与を検討したが、siRNAによるXPLNのノックダウンでmTORC2が活性化し、SPARCの発現は増加した。HDAC inhibitor (HDACi)はXPLNのup-regulationを通じてmTORC2を抑制し、TGF-β1誘導のSPARC発現を抑制した。以上よりXPLN-mTORC2経路の肺線維化病態への関与が明らかになり、HDACiによる同経路の抑制が有効な治療戦略になる可能性が示唆された。
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