研究課題
①ブレオマイシン肺炎モデルを作成し、コントロール肺と投与後21日の線維化期において、肺組織、肝臓、腎臓、脾臓組織の採取と血清、気管支肺胞洗浄液採取を行った。肺組織からは、凍結組織の採取他、パラフィン固定標本、電顕検体、4%PFA固定凍結標本の作成を行った。②HE染色にて投与後21日には、リンパ球、好中球などの炎症細胞とともに腔内の線維化とそれを被覆する腫大したII型肺胞上皮と腔内には組織球浸潤も目立っていた。③気管支肺胞洗浄液は超遠沈を行い、エクソソーム分画とそれ以外の分画を行った。エクソソームは、電顕にて形態的な同定を行った。エクソソーム分画については、固定、LR whiteによる包埋を行い、エクソソームマーカーCD63,組織球マーカーMac2,II型肺胞上皮マーカーSP-C抗体を用いた免疫電顕を行い、由来の同定を行った。④気管支肺胞洗浄液のエクソソーム分画とそれ以外の分画からそれぞれmiRNAの抽出を行った。微量なため5匹を1つの検体として、コントロールと線維化期からmiRNA抽出を行い、miRNA Ready-to-Use PCR,Mouse&Rat panel I+II(Exiqon)を用いてReal time-PCRに基づくmiRNAの網羅的解析を行った。気管支肺胞洗浄液中のmiRNAは、エクソソーム分画より、それ以外に多く含まれていた。網羅的解析により、分画によって違うmiRNAが上昇や低下がしていることがわかった。⑤組織、血清からもmiRNA抽出を行った。
3: やや遅れている
①気管支肺胞洗浄液中のエクソソーム由来のmiRNAは微量なため、Agilent 2100 Bioanalyzerを用いて、品質検定を行った。②気管支肺胞洗浄液中のエクソソームの由来細胞の同定を行うために免疫電顕を行ったが、エクソソームの固定条件、電顕包埋剤などの条件設定に時間がかかった。
①組織、血清からmiRNAを抽出し、気管支肺胞洗浄液と同様にmiRNAの網羅的解析を行っており、気管支肺胞洗浄液中のエクソソーム分画とそれ以外、肺組織、血清を比較し、線維化に関わるmiRNAの同定を行う。②同定されたmiRNAについて、ブレオマイシン肺炎(投与後3,7,14,21日)の経時的変化の確認を行う。③同定されたmiRNAの組織の局在をみるため、in situ hybridizationを行う
気管支肺胞洗浄液からのエクソソーム分画とそれ以外の分画からのmiRNAが微量で品質検定に手間取ったため、網羅的解析を行う予定であった気管支肺胞洗浄液からの2つの分画、肺組織、血清からmiRNAの検体を準備するのに時間がかかった。
現在では、検体の採取、miRNAの準備ができ、コントロール肺組織、血清、気管支肺胞洗浄液のエクソソーム分画とそれ以外のmiRNAと線維化期のそれぞれのmiRNAの網羅的解析が進行中で、比較解析費用に使用する予定である。
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件)
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