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2016 年度 実績報告書

急性腎障害に対する糖代謝の制御を介した尿細管部位特異的な治療を目指して

研究課題

研究課題/領域番号 26461208
研究機関旭川医科大学

研究代表者

藤野 貴行  旭川医科大学, 医学部, 講師 (70322914)

研究分担者 長谷部 直幸  旭川医科大学, 医学部, 教授 (30192272)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード虚血再灌流障害
研究実績の概要

本研究では経動脈的にp53 siRNAを投与した場合に虚血再灌流による腎障害に対する効果を検討した。トランスフェクション試薬には直鎖型陽性ポリマーのポリエチレンイミンを用い、P53に対するsh(short hairpin) RNAプラスミドを経動脈的に左腎に虚血直後に投与した場合、12時間後の髄質外層のヘンレ上行脚尿細管細胞(mTALH)での障害の軽減, アポトーシスの増加およびミトコンドリア腫大の軽減を認めた。P53 shRNAの尿中neutrophil gelatinase-associated lipocalin (uNGAL) レベルに関する検討では、P53 shRNAは、uNGALの上昇を抑制しており、p53 shRNA治療によるmTALHの虚血再灌流障害の軽減に関連することが考えられた。NGALは血清クレアチニン値よりAKIの鋭敏なマーカーであり、NGALの起源はmTALHと集合管であることが示されている2)。IRによりmTALH細胞では、p53の発現亢進とともにβ-catenin発現低下を認め、p53 shRNA投与により、β-catenin発現の回復も生じた。β-cateninは細胞骨格での役割と、Wntシグナル経路における核転写での役割について重要である。核酸治療のカテーテルを用いて局所的に投与を行い、腎IRにおいて副作用を軽減した有効な治療法となる可能性が示された。静脈投与によるIR障害改善効果は、近位尿細管S3で評価されていたが、これはshRNAが糸球体濾過を介して近位尿細管に到達する経路が考えられる。この研究におけるshRNAのmTALH細胞における有効性は、経糸球体濾過以外に直血管を経由したデリバリーが関与している可能性を示された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] Altering a Histone H3K4 Methylation Pathway in Glomerular Podocytes Promotes Proteinuria in Patient with Membranous Nephropathy.2016

    • 著者名/発表者名
      Fujino T, Hasebe N
    • 雑誌名

      BMC Nephrol

      巻: 17 ページ: 179

    • DOI

      10.1186/s12882-016-0390-8

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり

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公開日: 2018-01-16  

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