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2016 年度 実績報告書

腎幹細胞の自己複製能と老化メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 26461212
研究機関群馬大学

研究代表者

前嶋 明人  群馬大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (70431707)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード尿細管再生 / 腎幹細胞
研究実績の概要

本研究では、Doxycycline(DOX)誘導Histone 2B-GFPマウスを用いて腎幹細胞をGFP標識し、その増殖・分化様式を検討した。このマウスは、DOX処理により、Histone 2Bを発現している細胞(細胞分裂している細胞)がGFP標識される。したがって、DOXによるOn (Pulse)とOff(Chase)を行うことにより、細胞分裂の非常に遅い腎幹細胞をGFP標識することが可能となる。
まず、GFP標識腎幹細胞を効率よく検出できる条件(Doxycyclineの容量、Pulse期間、Chase期間など)を検討した。さらに、各種ネフロンマーカーとの2重染色を行ったところ、GFP陽性腎幹細胞は主に近位尿細管に存在することが判明した。
次に、DOXのPulse/Chase処理を行った後、虚血・再灌流障害を誘導し急性腎不全モデルを作成した。GFP陽性腎幹細胞は障害後、活発に分裂・増殖し、尿細管再生に大きく貢献する細胞集団であることが分かった。さらに、分裂途中または分裂直後の2つのGFP陽性細胞を観察すると、GFP蛍光強度は不均等に分布していたことから、幹細胞に特徴的な非対称性分裂の存在が示唆された。
腎幹細胞の自己複製能と老化の関連を調べるため、7週齢と20ヶ月齢のDOX誘導Histone 2B-GFPマウスにDOXのPulse/Chaseを行い、GFP陽性腎幹細胞の数と局在を比較した。その結果、7週齢と比較し20ヶ月齢マウスでは有意にGFR陽性腎幹細胞数が減少していた。また、GFP陽性腎幹細胞の多いネフロンと少ないネフロンが存在しており、ネフロン単位での老化現象が示唆された。
以上の結果より、GFP陽性腎幹細胞の活性化は、腎再生医療において有力なアプローチと考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] TetOP-H2B-GFPマウスを用いた腎尿細管Label-retaining細胞同定の試み2016

    • 著者名/発表者名
      高橋駿介、前嶋明人、中里見征央、坂入徹、池内秀和、金子和光、廣村桂樹、野島美久
    • 学会等名
      第59回日本腎臓学会学術総会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2016-06-17 – 2016-06-19

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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