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2016 年度 実施状況報告書

多発性嚢胞腎における血管病変の発症および進展に関与する因子の解明

研究課題

研究課題/領域番号 26461217
研究機関金沢大学

研究代表者

山田 和徳  金沢大学, 医薬保健学総合研究科, 特任准教授 (90397224)

研究分担者 川野 充弘  金沢大学, 附属病院, 講師 (20361983)
山岸 正和  金沢大学, 医学系, 教授 (70393238)
小野江 為人  金沢大学, 医学系, 協力研究員 (80603498)
川尻 剛照  金沢大学, 医学系, 准教授 (90345637)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード常染色体劣性多発性嚢胞腎 / 脳動脈瘤
研究実績の概要

常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)は、両側腎に多数の嚢胞を認める遺伝性疾患である。ADPKDでは嚢胞病変だけでなく、脳動脈瘤、弁膜症などの心臓合併症を高率に合併しうる。我々は、脳動脈瘤を合併した一家系よりPKD2遺伝子異常697fsXを見出した。しかしながら、697fsXによる毛肝病変発症機序は不明である。そこで、ADPKDにおける血管病変発症・進展に関与する因子を解明することを本研究の目的とした。
我々は、697fsXを導入したトランスジェニックマウスを作成した。本モデルマウスでは、尿細管拡張および嚢胞形成を認めるが、既存のモデルと比較して病変形成は緩やかであり、12ヶ月齢以降のマウスでの解析を進めている。血管の拡張については、腎臓を中心に解析を行っているが、現時点では著明な拡張病変は認めていない。今後、マウスの脳血管病変について解析を進めていく予定である。
臨床的解析においては、ADPKDを原疾患として透析導入した患者の臨床的特徴についての解析を行っている。ADPKDの透析患者では、脳動脈瘤は50%以上と高率に認められた。また、弁膜症合併例における心機能の評価についても進めていく。また、我々はeGFR>15 mL/min/1.73㎡ADPKD患者におけるトルバプタン投与例についても臨床的解析を開始した。トルバプタンは血管系には直接作用を有しないが、嚢胞増大抑制効果と併せて、高血圧等の血管系への影響についても検討している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

我々が解析しているTRPP2 697fsXトランスジェニックマウスは当初の予測より、嚢胞および尿細管拡張などの病変出現時期が遅いことが判明した。同様に血管病変の形成も遅いことが遅くされ、血管病変の解析に想定以上に時間を要しているため。また、剖検や培養系での実験についても当初の予定より遅れているため。

今後の研究の推進方策

29年度は28年度に引き続き、多施設共同研究で集積したデータの解析を行う。また、剖検例を用いた血管病変の解析を進めていく。正常ヒト大動脈内皮細胞や脳微小血管内皮細胞にTRPP2 697fsXおよび正常PKD2遺伝子を導入し、繊毛におけるこれらのタンパクの発現の確認、繊毛の下流シグナルに関与する分子の検討を行う。また、現在進めているTRPP2 697fsXトランスジェニックマウスを用いた血管病変の解析をさらに進めていく。脳動脈瘤を有する患者から、連鎖解析を用いてPKD2遺伝子異常の有無を明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

当初、26-28年度に予定していたADPKD患者の剖検例を用いた血管病変の解析と培養細胞を用いた解析を次年度に行うことにしたため、次年度使用差額が生じた。

次年度使用額の使用計画

次年度使用額のうち、400千円を培養関連の培地、試薬、測定キットの費用として、残り180千を免疫染色用の抗体に当てる予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] Hints to the diagnosis of uromodulin kidney disease.2016

    • 著者名/発表者名
      Onoe T, Yamada K, Mizushima I, Ito K, Kawakami T, Daimon S, Muramoto H, Konoshita T, Yamagishi M, Kawano M.
    • 雑誌名

      Clin Kidney J

      巻: 9 ページ: 69-75

    • DOI

      10.1093/ckj/sfv110

    • 査読あり
  • [学会発表] 常染色体優性多発性嚢胞腎に対するトルバプタン投与例の検討2016

    • 著者名/発表者名
      山田和徳,村本弘昭,荒木英雄,覚知泰志,宮城恭子,北島進,谷悠紀子,小野江為人,平田昌義,竹田正廣,宮崎良一,川野充弘
    • 学会等名
      第59回日本腎臓学会学術総会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2016-06-17 – 2016-06-19
  • [学会発表] The usefulness of tolvaptan in patients with autosomal dominant polycystic kidney disease with chronic kidney disease stage G3 to G4.2016

    • 著者名/発表者名
      Yamada K, Muramoto H, Araki H, Kakuchi Y, Miyagi K, Kitajima S, Tani Y, Onoe T, Hirata M, Takeda M, Miyazaki R, Kawano M.
    • 学会等名
      European Renal Association/European Dialysis and Transplant Association 2016 53th Congress
    • 発表場所
      Vienna, Austria
    • 年月日
      2016-05-21 – 2016-05-24
    • 国際学会
  • [学会発表] Decreased serum uromodulin concentration is a specific characteristic in uromodulin kidney disease.2016

    • 著者名/発表者名
      Onoe T, Yamada K, Muramoto H, Kawano M.
    • 学会等名
      European Renal Association/European Dialysis and Transplant Association 2016 53th Congress
    • 発表場所
      Vienna, Austria
    • 年月日
      2016-05-21 – 2016-05-24
    • 国際学会

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公開日: 2018-01-16  

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