膜貫通型糖蛋白質・CD147/Basiginは、細胞の生存や浸潤・転移に重要な役割を果たす。しかし、糖尿病や肝・腎機能障害を呈するメタボリック症候群についてCD147を含む分子機構は明確に解明されていない。CD147はMonocarboxylate transporterのシャペロンとして乳酸代謝に促進し、細胞内エネルギー代謝・ATP産生に大きな影響を及ぼす。今回の動物実験において、過剰な糖・脂質・尿酸の細胞内蓄積による酸化ストレスはCD147を誘導・負のサイクルを形成する事によって相乗的な臓器障害を惹起する事が示された。CD147を治療標的とする応用は肥満関連性腎・肝機能障害に広がる。
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