慢性腎臓病の進展に関わる 脂肪酸による尿細管障害におけるNAD代謝の役割を検討した。脂肪酸結合アルブミン (FFA-alb)を投与した病態マウスの腎臓とFFA-albで刺激した培養近位尿細管細胞を用いてNAD代謝酵素のスクリーニングを行い、FFA-albにより遺伝子発現が上昇するNAD代謝酵素としてNNMTを新規同定した。NNMT過剰発現は代謝分子1-MNAの細胞内濃度を上昇させ、アポトーシスを抑制した。1-MNAの前孵置もアポトーシスを抑制した。更に、マウスにおいても1-MNAは腎保護効果を示した。NNMT活性増強および1-MNA投与は慢性腎臓病における新規治療標的となる可能性が示された。
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