研究課題
慢性維持血液透析患者において、血清NGAL濃度は筋肉量(%クレアチニン産生速度)、蛋白摂取量(anion gap)、末梢血好中球数の3者により、独立して規定されていた。ベースラインのNGAL値によって患者を3群に分けると、NGAL Low群のみにおいて1年後に血清クレアチニンが有意に低下した。1年後に血清アルブミンが0.4g/dL以上低下するリスクはNGAL Low群で他の2群と比べて、オッズ比5.5(P=0.02)と上昇していた。1年間のアルブミン値増加とNGAL値はr=0.26(P<0.05)と正相関を示した。個別症例の病歴を検討した結果、感染のためにNGAL高値の症例では感染からの回復後にアルブミン値が増加する可能性がある一方で、NGAL低値の症例は重症感染症を発症しやすく、その後に低アルブミンが遷延する可能性があると考えられた。以上の成績より、透析患者のNGAL低値は重症感染を起こすリスクやアルブミン値が低下するリスクとなることが合理的に理解できた。
2: おおむね順調に進展している
交付申請書に記載した研究の目的が概ね達成できているため。
今後も計画通りに研究を進める。
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Clin Exp Nephrol
巻: 19 ページ: 99-106
10.1371/journal.pone.0132539