研究課題
CTGFは細胞外基質産生作用の他炎症にも関与する。CTGFの腎炎における意義を検討するために、全身誘導性CTGF欠損マウスに抗糸球体基底膜抗体(抗GBM)腎炎を惹起したところ、野生型と比して腎炎が軽減することを示した。ポドサイト特異的CTGF欠損マウスでは抗GBM腎炎は軽快せず、PDGFRaCreマウスを用いたメサンギウムCTGF欠損マウスにおいては、尿蛋白、メサンギウム基質拡大、半月体形成の軽快ならびに糸球体内TGF-β、αSMA、fibronectinおよびMCP1発現が低下することを示した。また、全身誘導性CTGF欠損マウスならびにメサンギウムCTGF欠損マウスではマクロファージの糸球体内浸潤が軽快しており、M1/M2比の減少を認めた。単球系の細胞であるRAW264.7細胞にリコンビナントCTGFを添加したところM1/M2比とTNF-αの増加を認めた。また蛍光ラベルしたRAW264.7細胞とTNF-α刺激したメサンギウム細胞の接着を検討したところ、リコンビナントCTGF添加で増加し、si-CTGFでCTGFを抑制すると接着が減少した。またsi-CTGFでメサンギウム細胞のCTGFを抑制すると、フィブロネクチンとインテグリンαvが低下し、これらの低下を介してマクロファージ接着が減少することが示唆された。さらには内皮細胞由来CTGFも同様にマクロファージの接着に関与することを示した。本研究から糸球体腎炎においては、メサンギウム細胞と内皮細胞から分泌されるCTGFはマクロファージの遊走、接着に関与し、マクロファージのサブタイプにも関与し、腎炎の進展に関与していることを明らかとした。
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