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2014 年度 実施状況報告書

間葉系幹細胞を用いた腎線維化の抑制:無血清培地の検討

研究課題

研究課題/領域番号 26461229
研究機関広島大学

研究代表者

正木 崇生  広島大学, 大学病院, 教授 (30397913)

研究分担者 中島 歩  広島大学, 大学病院, 特任助教 (40448262)
土井 盛博  広島大学, 大学病院, 病院助教 (80626127)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード間葉系幹細胞 / 無血清培地 / 腎線維化 / 抗炎症作用
研究実績の概要

間葉系幹細胞: Mesenchymal Stem Cells (MSC) が障害された組織の修復や線維化の抑制に働く機序の一つとして、MSCの有する抗炎症作用が注目されている。通常の血清含有培地で培養したMSCと比較して、無血清培地で培養したMSCは強力な免疫抑制作用を示したことから、無血清培地で培養した“抗炎症作用に優れたMSC”は腎臓疾患における線維化を抑制することが可能であるかをラット線維化モデルを用いて検討する。
ラット水腎症モデルを作製し、作製4日後に経尾静脈的に ①ウシ血清含有培地で培養したMSC、②無血清培地で培養したMSC、③PBS(コントロール群)を投与し、水腎症モデル作製10日後に腎臓を採取した。線維化マーカーであるα-SMA、TGF-β1のmRNA、タンパクの発現はコントロール群と比較して、MSC投与群の両群で有意に低下していた。さらに、ウシ血清含有培地で培養したMSCよりも無血清培地で培養したMSCを投与した群で有意に低下していた。
炎症マーカーであるMCP-1およびIL-6 mRNAレベルおよびED-1、CD3の免疫染色では、コントロール群と比較して、MSC投与群の両群で有意に低下していた。さらに、ウシ血清含有培地で培養したMSCよりも無血清培地で培養したMSCを投与した群で有意に低下していた。無血清培地で培養したMSCは抗炎症作用に優れており、腎線維化を抑制することが可能であることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ラットモデルにおいても、無血清培地で培養したMSCは、通常の血清含有培地で培養したMSCと比較しても、より腎線維化を抑制することが可能であることを示すことが確認されており、本研究は順調に進展している。

今後の研究の推進方策

通常の血清含有培地で培養したMSCと無血清培地で培養したMSCを用いて馴化培地を作製し、ヒト近位尿細管上皮:HK-2細胞の培地をそれぞれの馴化培地に変更後、TGF-β1を添加する実験を行い、直接的な影響を確認する。また、通常の血清含有培地と無血清培地で培養したMSCには遺伝子の発現プロファイルが異なっていることが考えられる。そこで、DNAマイクロアレイを用いた網羅的な解析を行い、無血清培地で培養したMSCがより強い抗炎症作用を有する機序について明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

物品が予想した定価よりも安価で購入できたため。

次年度使用額の使用計画

来年度の物品費として使用。

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公開日: 2016-05-27  

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