研究課題
培養ポドサイトにおけるインスリンシグナルはリン酸化Aktの発現変化をwestern blottingにより確認した。低グルコース(5.6mM)におけるリン酸化Aktの発現はインスリン(10nM)により4.5±0.7倍に増加した。一方、高グルコース(20mM)におけるリン酸化Aktは低グルコース時に比べ、7.8%減少した。また、インスリン受容体基質(IRS)1のチロシンリン酸化はインスリンにより2倍程度増加するが、高グルコースにおいては10%程度抑制されていた。一方、インスリンレセプターのチロシンリン酸化はインスリンにより19±6倍増加し、高グルコースにより61%減少した。プロテインフォスファターゼの一種であるSrc homology-2 domain-containing phosphatase-1 (SHP-1)が高血糖状態において賦活化されることで血管内皮細胞増殖因子(VEGF)レセプターのリン酸化が抑制されることによるポドサイトアポトーシスのメカニズムを示しているが、実際、本研究においてもSHP-1は高グルコースにより1.2±0.6倍増加していた。アデノウイルスベクターを用い、IRS1をポドサイトに過剰発現すると高血糖により誘導されるポドサイトポトーシスが57%減少した。IRS1をsiRNAによりノックダウンすると低グルコース状態においてポドサイトアポトーシスが2.4±0.4倍増加した。最後にDipeptidyl Peptide(DPP)-4阻害剤によるポドサイトアポトーシスへの影響について検討を行った。低グルコースにおけるリン酸化Aktの発現はDPP-4阻害剤(50nM)添加により131±28%増大した。以上よりIRS1の賦活化あるいはDPP-4阻害薬によるインスリンシグナル増強により高血糖状態によるポドサイトアポトーシスが抑制されることが明らかになった。
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