研究課題/領域番号 |
26461237
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
中田 純一郎 順天堂大学, 医学部, 助教 (20365638)
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研究分担者 |
富野 康日己 順天堂大学, 医学部, 名誉教授 (60130077)
鈴木 祐介 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70372935)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | IgA腎症 / AIM |
研究実績の概要 |
我々の予備検討でIgA 腎症モデルマウスの腎組織において糸球体IgA と一致してapoptosis inhibitor of macrophage (AIM) の過剰な沈着が認められており、AIMはIgA 腎症においてIgA 沈着後の起炎機序に深く関わっていることが示唆される。一方、組織マクロファージの一部は内皮細胞を這いながら血管のパトロールを行い、恒常的に炎症や感染制御をしている。このパトロール行動はケモカインレセプターCX3CR1 に依存していることが近年判明している。本研究では、IgA 腎症におけるIgA の糸球体沈着後の炎症・進展機序へのCX3CR1/FKN/AIM axisの関与を検討することを目的とした。本年は主に動物モデルによる検証を行った。 1-1.AIMKO・WTマウスへの打ち込み実験:gddYマウスの血清をAIM KOおよびWTに静脈内投与し、経時的に血清・尿・腎組織採取を行った。WT・KOともに早期に糸球体IgA沈着を同程度認めが、WTではその後同IgA沈着が消失するのに対し、KOでは経時的に増強することが確認された。AIMはIgA沈着後のclearanceおよびmacrophage浸潤において重要なkeyであることが示唆された。また、gddYB hybridoma由来のIgAを用いて同じ打ち込み実験を行ったところ、上記と同じ傾向が得られた。 1-2. マクロファージdepletion後の打ち込み実験:clodronate lyposomeを用いてマクロファージをdepletionし、上記打ち込み実験を行った。マクロファージ非存在下で糸球体グロブリン沈着が遷延する場合と消失する場合とがあることがわかり、クリアランスにはマクロファージのみならずメサンギウムなど腎既存細胞も関与している可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
打ち込み実験およびin vitroの最終解析、AIMKO gddYマウスの樹立を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
マクロファージおよびメサンギウム細胞をそれぞれprimary cell cultureし、gddY由来IgAおよびAIMの取り込み評価を行う。facsおよび細胞染色で現在も検証中である。 また、AIMKO IgA腎症モデルマウス(AIMKO gddY)をCRISPR/Cas9システムにより作成し、糸球体免疫グロブリン沈着および尿蛋白など臨床所見をgddYマウスと比較して検証中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
動物モデルおよびin vitro実験の最終評価を行う。
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次年度使用額の使用計画 |
腎炎惹起性IgAの打ち込み実験の解析およびマクロファージ・メサンギウム細胞のIgA/AIM取り込み実験の最終評価を行う。また、AIMKO gddYの解析も行う。
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