我々は、これまで半月体形成性腎炎モデルのマウスBSA腎炎の糸球体において、半月体形成期にL1レトロトランスポゾン活性が上昇し、逆転写酵素阻害薬のエファビレンツによって、半月体形成が抑制されることを明らかにした。ヒトレトロトランスポゾンを強制発現し、かつレトロトランスポジションが生じた部位にEGFPが発現するhL1-EGFP Tgマウスにおいて、BSA腎炎を惹起し、半月体を形成させた。半月体形成腎でのEGFPの発現は、蛍光抗体法にて明らかにならず、レトロトランスポジションが病態の原因ではなく、L1レトロトランスポゾンの活性化によって大量に発現する小DNAが病態の一因であることが示唆された。
|