研究課題
HIGAマウスはddYマウスから血清IgAの高いマウスを選択的に交配して確立された血清IgA高値を呈するマウスであるが、自然経過では早期に腎障害を呈することはない。一方で、我々が樹立したgddYマウスはHIGAマウスよりも血清IgA値が低いがより腎障害を呈する。両マウスのIgAでは糖鎖修飾など質的な差が存在することが示唆される。よって、両マウスの遺伝子表現型の違いを解析することにより、糖鎖修飾に密接に関わる遺伝子領域を同定できる可能性があると考えられる。これまでマイクロサテライトマーカーを用いてgddYとHIGAマウスの遺伝子差異を確認したところ、各染色体で約1-4箇所の違いを認めている。また、gddYマウスとHIGAマウスをかけ合わせF2でgddYB・HIGAマウスのヘテロを作成し、マイクロサテライトマーカーにてgddY, HIGAとの比較検討も進めている。同時に、網羅的に全ての遺伝子をマイクロサテライトマーカーのみで調べることは困難であるため、次世代シーケンスによる両マウスの全ゲノム解析を行う方針とした。
2: おおむね順調に進展している
マイクロサテライトマーカーでの解析をもとに責任領域の洗い出しと絞り込みを進めている。次世代シーケンスを行ったことで全ゲノム解析が可能となり、マイクロサテライドマーカーの結果をもとに解析を進める予定である。
HIGA・gddYマウスとBALB/cとの比較、およびHIGAとgddYマウスの比較を各遺伝子で行う。エクセルにて何十万行という膨大な量であるため、まずはAIMおよびIgA周辺領域の解析を進めることとする。
次世代シーケンスを外注で依頼し、この額が予定よりも下がったため予算の余りが生じた。
HIGAマウスおよびgddYマウスのF2個体の解析をマイクロサテライトマーカーで行い、次世代シーケンスの解析を行う際の絞り込み材料とする予定である。
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)
PLoS One.
巻: 19;9(11) ページ: e113005
10.1371/journal.pone.0113005.
BMC Nephrol.
巻: 13 ページ: 15:89
10.1186/1471-2369-15-89
PLoS One
巻: 17;9(4) ページ: e95365
10.1371/journal.pone.0095365
Nephrol Dial Transplant.
巻: 29(8) ページ: 1546-53
10.1093/ndt/gfu020
巻: 21;9(2) ページ: e89707
10.1371/journal.pone
Clin Exp Nephrol.
巻: 18(5) ページ: :770-7
10.1007/s10157-013-0921-6.