研究課題/領域番号 |
26461245
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
杉山 紀之 大阪医科大学, 医学部, 講師 (90381954)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 嚢胞腎 |
研究実績の概要 |
ヒト嚢胞腎の細胞株樹立とそれによる嚢胞腎進展の分子機構の解析を目標として、細胞株化しにくい成体の腎の尿細管上皮細胞の樹立条件の検討を行った。最初に正常マウスの尿細管上皮細胞の細胞株樹立の検討を行った。12週齢のマウス尿細管上皮細胞にテロメラーゼ逆転写酵素タンパク質(TERT)遺伝子のトランスフェクション法により樹立化を検討したが、樹立される細胞株は混入する平滑筋、あるいは線維芽細胞由来のものがほとんどで上皮細胞由来は非常に少なかった。そこで、古典的な SV40 T 抗原遺伝子のトランスフェクション法により樹立を試みた結果、低効率ながら樹立することに成功した。次に、嚢胞腎モデルマウスの尿細管上皮細胞樹立を試みる計画であったが、嚢胞腎モデルマウスの導入・譲渡が遅延の上、理由もわからず導入・譲渡不可となった。そのため、新しい嚢胞腎モデルマウスを作製するために、標的遺伝子の選定および遺伝子欠損させるためのgRNAの設計を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
嚢胞腎モデルマウスの導入が不可能となったために、形態変化した嚢胞腎尿細管上皮細胞の樹立条件の検討が行うことができなかった。別系統のモデルマウスの導入も2研究施設と交渉したが、本研究目的での導入は不可能であった。
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今後の研究の推進方策 |
研究遅延の原因となった嚢胞腎モデルマウスを自ら作製するためにNPHP遺伝子ファミリーの選定を行い、現在、CRISPRS SYSTEMを用いてノックアウトマウスを作製する計画である。すでに特定遺伝子の選択をし、gRNAの設計を行っている。従来のノックアウトシステムではなく、CRISPRS SYSTEMを使うことにより半年で嚢胞腎モデルマウスの第1世代を産出することが可能である。可能な限り迅速に嚢胞腎モデルマウスを作製し、研究計画を遂行する所存です。
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次年度使用額が生じた理由 |
嚢胞腎モデルマウス作製のための費用が多くかかるために出費を抑え、次年度に向けた。
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次年度使用額の使用計画 |
CRISPRS SYSTEMを用いたノックアウトマウスの作製を大阪大学微生物病研究所 特定非営利活動法人 発生工学研究会に依頼する予定である。その作製費用に企てる。
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