研究課題
我々は、前研究でIgA腎症患者と慢性扁桃炎患者の扁桃の細菌叢を培養を用いずに網羅的に検討できるDGGE法を用いて、細菌叢の検討・比較を行い、Treponema denticolaと Campylobacter rectusがIgA腎症患者で特異的であることを見出した。また、この2種の菌が陽性の場合、扁桃摘出およびステロイドパルス療法による治療感受性と強く関連していることを見出した。この2種の菌と扁桃の免疫応答の違いを明らかにし、またこの2種の菌の病原性を明らかにしていくことを本研究課題の目的としている。A.IgA腎症患者および慢性扁桃炎の扁桃の免疫応答の違いの検討 IgA腎症患者の摘出扁桃を、単離生成し、細菌が混ざることなく培養することが出来る段階まで進んだ。さらに免疫学的な検討を行っていく。B.IgA腎症患者およびその他の慢性糸球体腎炎患者おける血清のTreponema denticolaと Campylobacter rectusに対する抗体価の検討および歯周における有病率の検討 IgA腎症患者およびそのコントロールとなる患者における歯周のサンプルと血清のサンプルの採取を行った。歯周の状態としては、全方向パノラマ撮影も同時に行い詳細に検討を進めている。血清サンプルにおける抗体価の測定は行う系の確立も、ほぼ終了している。C.実験モデルの作成・病態の解明 Treponema denticolaと Campylobacter rectusをC57B6マウスに対して週1回の経鼻投与を4か月間継続した。その後、Sacrificeを行い、 Campylobacter rectus投与群の腎臓の糸球体に置いてIgAの沈着を確認した。その一方でTreponema denticola投与群においてはIgAの沈着を認めなかった。(コントロール群もIgAの沈着はなし)菌によってIgAの沈着を惹起する力に差があることが明らかになった。今後、検尿所見・血清のIgA値など詳細に検討を進めていく。
2: おおむね順調に進展している
概ね、計画通り進んでいる。Campylobacter rectusとTreponema denticolaの抗体価を結成で測定すことは可能となっている。また、マウスにIgAの沈着を惹起することも確認を終えている。ただ、マウスのIgA沈着を惹起するのに4か月程度かかるため、系を繰り返すのに時間を要している
概ね計画通りすすんでいるので、このまま検討を進めていく。マウスのIgA沈着を惹起するのに4か月程度かかるため、一度に行うマウスを可能な範囲で増加させ、(経鼻投与に時間がかかるため限界がある)研究の速度を上げていく。
マウスの購入費が、細菌の投与実験を行うのに投与期間だけで4か月かかるために、投与実験を繰り返すのに時間がかかり、今年度マウスを購入予定であった研究費を翌年に持ち越している
来年度に向けて、C57BL/6マウスの購入を行い細菌の投与実験を行う
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