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2015 年度 実施状況報告書

交感神経によるエピジェネティック制御と心腎連関

研究課題

研究課題/領域番号 26461249
研究機関東京大学

研究代表者

下澤 達雄  東京大学, 医学部附属病院, 講師 (90231365)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード慢性腎臓病 / 心機能 / エピジェネティクス
研究実績の概要

4週齢雄SDラットの片腎を摘出し8%食塩食を負荷することで慢性腎臓病モデルを作成した。このラットの腎交感神経を機械的に切断し、心機能の変化、腎障害の変化を比較検討した。昨年は心機能に関わる遺伝子としてSERCAについて検討を行ったが、本年はレニンアンジオテンシン系並びにその下流のNHE-1遺伝子などについて発現の変化を検討した。本モデルにおいて食塩負荷により血中レニン、アルドステロンは抑制されるが、レニンアンジオテンシン系関連遺伝子の変化は認めなかった。また、アルドステロンが抑制されることからその下流の遺伝子のひとつであるNHE-1は抑制されることが期待されたが、抑制されることはなく、不適切に発現が亢進していることが示された。
一方、上述の実験では腎交感神経切断を物理的に行っているが、この方法では腎臓の遠心路、求心路の双方が切断される。そこで、今回は求心路の影響をみるためにカプサイシンを用いて求心路を切断したところ、昨年の方法と同様、心機能の改善を認めた。またSERCA2aの発現も回復していた。このことは慢性腎臓病モデルの腎臓は何らかのシグナルを感知し、中枢へ情報を送り、中枢から心臓に対してシグナルが伝わることにより心機能の制御をしていることを示唆する。
昨年の結果と併せて考えると中枢から心臓へのシグナルはSERCA, NHE-1といった遺伝子を調節する共通の因子が考えられる。in silicoで検討したところこれらの遺伝子プロモーター領域に共通の転写調節部位があることから、これらを手掛かりに検討を進める。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定していた遺伝子解析は終了し、さらに腎交感神経の遠心路、求心路を分けて解析することができた。

今後の研究の推進方策

SERCAとNHE-1の2つの遺伝子調節を同時に行いうる因子の検索を交感神経系、レニンアンジオテンシン系以外から検討を進める。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Vascular Inflammation and Hypertension.2016

    • 著者名/発表者名
      Ogura S, Latapati R, Shimosawa T, Nakayama T
    • 雑誌名

      Cardiovasc Dis Atherosclerosis.

      巻: 3 ページ: 1017,1023

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] CKD・高血圧の管理2016

    • 著者名/発表者名
      神保りか, 下澤達雄.
    • 雑誌名

      最新醫學

      巻: 別冊 ページ: 137, 143

  • [雑誌論文] Resveratrol Upregulates Cardiac SDF-1 in Mice with Acute Myocardial Infarction through the Deacetylation of Cardiac p53.2015

    • 著者名/発表者名
      Hong W, Tatsuo S, Shou-Dong W, Qian Z, Jian-Feng H, Jue W, Chen J, Hai-Yan Q, Yue-Jin Y.
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 10 ページ: 1-12

    • DOI

      doi: 10.1371/journal.pone.0128978

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 体内情報をつかさどる腎臓。センサーと効果器としての役割2016

    • 著者名/発表者名
      下澤達雄
    • 学会等名
      日本薬理学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)
    • 年月日
      2016-03-09
    • 招待講演

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公開日: 2017-01-06  

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