研究課題/領域番号 |
26461251
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
今井 健介 島根大学, 医学部, 助教 (60457182)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 高血圧 |
研究実績の概要 |
Stroke-prone spontaneously hypertensive rat (SHRSP)は重篤な高血圧を発症し、それに伴って脳卒中を高頻度で起こす遺伝的モデル動物である。これまでの研究で、SHRSPの持つ脳卒中感受性遺伝子がラット第1、18染色体上に存在することが明らかとなっており、さらに、SHRSPと脳卒中抵抗性の高血圧ラットであるSHRとの間でこの染色体領域を入れ替えたコンジェニックラットにおいて、食塩負荷時の血圧上昇の程度が異なることが明らかになった。食塩感受性血圧上昇に重要な役割を果たすもっとも重要な臓器が腎であることから、本研究では、このコンジェニックラットとSHRの間で片腎摘出と腎移植を行い、第1、18染色体に起因する食塩感受性が腎機能を介するものであるかどうかを検討することを目的とした。 本年度は、SHRとコンジェニックラットを用いた片腎摘出による対照実験を進めると同時に2つの系統間での腎移植技術の確立を目指した。腎移植では手術時間、麻酔深度の調整と、尿管の縫合に予想以上の困難を伴い、数十例試みて1例のみの成功にとどまっている。現在、より手術時間を短縮できるよう手術手技の改善に継続的に取り組んでいる。片腎摘出による対照実験では、食塩負荷により、SHRに第1、18染色体のみをSHRSPから移したコンジェニックラットにおいて、より高度の腎障害がみられることが、組織学的な評価により確認できた。現在、腎線維化や炎症反応、酸化ストレスなどにかかわる種々のパラメータの測定を行い、そのメカニズムの検討を実施している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
腎移植の手技が予想以上に難しく、手術時間短縮、手技の改善に取り組む必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
より多くの症例を集中して行うことで、手技確立を目指す。片腎摘出実験は順調に進んでおり、こちらは27年度中にデータをまとめて発表することを目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、SHRとコンジェニックラットを用いた片腎摘出による対照実験を進めると同時に2つの系統間での腎移植技術の確立を目指した。しかしながら腎移植では手術時間、麻酔深度の調整と、尿管の縫合に予想以上の困難を伴い、数十例試みて1例のみの成功にとどまっている。そのため、当初予定してい実験計画に遅れが生じており、購入予定であった試薬・消耗品等の購入を見合わせたため
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次年度使用額の使用計画 |
現在、より手術時間を短縮できるよう手術手技の改善に継続的に取り組んでおり、徐々に成果が見られている。これに伴い、購入を見合わせていた試薬・消耗品等を早急に手配し、実験計画を実現する予定です。
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