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2017 年度 実績報告書

腹膜透析における腹膜中皮細胞動態からみた腹膜硬化進展機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 26461252
研究機関岡山大学

研究代表者

喜多村 真治  岡山大学, 大学病院, 講師 (70467752)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード腹膜中皮細胞 / 腹膜透析 / 細胞療法
研究実績の概要

本研究は、腹膜透析における中性腹膜透析液並びに酸性腹膜透析液による腹膜中皮細胞への影響を見た腹膜硬化進展機序解明を目指した研究である。
In Vitro試験では腹膜中皮細胞を使用し、その形態的質的評価を行った。用いた細胞は腹膜中皮細胞で、敷石状形態細胞(Epithelial like mesothelial cell:以下Epi細胞)及び線維芽様腹膜中皮細胞(Fibloblast like mesothelial cells:以下Fib細胞)で行った。それらの細胞を酸性腹膜透析液刺激下並びに中性腹膜透析液刺激下にて培養を行ったところ、酸性腹膜透析液下において、Epi細胞はFib細胞形態をとることがあり、質的には電位において、酸性透析液刺激で有意にキャパシタンスの増加並びにレジスタンスの低下が認められた。また、上記Epi細胞、Fib細胞で高濃度の糖濃度培養液下にて、酸性腹膜透析液、中性腹膜透析液刺激下で培養を行い評価したが、糖濃度が高度な培養液において、Epi細胞では有意な変化は認められなかったが、Fib細胞ではキャパシタンスの増加、レジスタンスの低下が認められ、さらに透過性の亢進が認められた。このことは、酸性刺激のみならず、糖刺激においてもEpi細胞の変化は乏しいが、Fib細胞が腹膜硬化に重要な働きを行うことが示唆された。
次にIn Vivo試験では腹膜刺激による腹膜硬化モデルマウスを作製し、そのマウスにEpi細胞の培養上清並びにFib細胞培養上清を投与し、腹膜硬化の変化を検討した。結果、Epi細胞上清では腹膜硬化モデルに比較し有意に腹膜肥厚並びに腹膜癒着を改善したが、Fib細胞上清では反対に有意に腹膜肥厚並びに腹膜癒着の悪化が認められた。このことから、腹膜中皮細胞は分泌する液性因子も重要であることが示唆された。今後液性因子内のエクソソーム解析も行い、その機序解明を目指したい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] The level of urinary semaphorin3A is associated with disease activity in patients with minimal change nephrotic syndrome.2017

    • 著者名/発表者名
      Inoue-Torii A, Kitamura S, Wada J, Tsuji K, Makino H.
    • 雑誌名

      Int J Nephrol Renovasc Dis.

      巻: 10 ページ: 167-174

    • DOI

      10.2147/IJNRD.S132980. eCollection 2017.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [図書] 小児外科49巻5号2017

    • 著者名/発表者名
      喜多村 真治
    • 総ページ数
      120(485-488)
    • 出版者
      東京医学社

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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